私がインテリアの世界に本格的に足を踏み入れるきっかけになった本
トリシアギルド
住まいのインテリア

再会したのは街の図書館だった
最初の出会いはかれこれ20年近く前に遡る
ファッションの仕事をしながらカラーのスクールに通った時、先生の持っている資料の中で素敵なもの達を印刷して(当時はまだまだアナログな時代)私がずっと大事に保管していたファイルの中にこんな雰囲気の一部があったのはなんとなく記憶していた
当時はこのインテリアの本やデザイナーの名前を記憶も記録もしていなく、空間と色彩の雰囲気が感覚的に記憶に残っていた
なんか見た事のある既視感とトキメキの記憶との再会だった
大都市ならいざ知らず、こんな郊外の街の図書館によくこの本が偶然あったもんだ…と振り返ると思う
突然話が変わるけれども、私の人生はなかなかに波瀾万丈な方だ。しょっぱい話はここで書くことでもないので省略するけれど
30代に入りどん底に突き落とされるような事が相次いで重なった
しばらく闇の中を彷徨っている時期があった
半年以上、一般的な生活から離れてしまったので、リハビリ的に負担の少なめな短時間のバイトを探してたまたま受かったから、という単純な動機でカーテン屋さんでアルバイトを始めた
オーダーカーテンは色彩やデザインなどなかなかに面白い世界で、ファブリックが好きな私としてはなんとなくやりがいを感じる世界ではあった
ただ、本格的に仕事をしていくかどうかはまた全然別の話だった
なぜなら経験はないし、働いていける自信もなかった
それにそこのお店はなくなってしまった今だから言えるけど、働き続けるのは難しそうな事情を多々抱えてるお店だった
何もかもが一昔前の風情のまま止まっているようなそのお店の存続が危うそうなのは、短時間パートの私でもなんとなくわかる空気感が漂っていた
あんまり仕事について掘り下げると余計落ち込んでいきそうで、深く考えないようにしていた
当時は普通でいることさえままならなかったから、プライベートさえなんとか普通に過ごしていければそれだけで御の字で、仕事に何かを求められるレベルにいなかった、と言う方がおそらく正しい
で、先の事なんかなんにも見えなかった時期にふらっと入った図書館で出会ったのがこの本

色彩の感覚や、空間の雰囲気
改めてちゃんと本として見てみると、全てに魅了されて、興奮して思わず写メにおさめた
厳密にいうと著作権とかで写真はダメなのかも分からないけど
その時のこの画像は私の記念日でもあるから、大切なメモリーの一つとして今でもとってある
忘れていた感覚が蘇ってくる感じだった
若かりし頃にイタリアのセレクトショップの彩り豊かに輝く小物達に最初に出会ったあの時のトキメキの感覚に近かった
図書館への返却が名残惜しくてネットで販売している同じ本を検索したが、その時の私の微々たる稼ぎでは高く感じて買うのを見送った
でもそのうち絶対自分の力で買おうと決めた
そしてあれから何年も経った今、この本は私の手元にある
いつか買おうと決めていた本を、インテリアの仕事で稼いだ自分のお金で躊躇なく買えた時は嬉しかった
いい歳の大人なのに、子供みたいな感覚だった
金銭感覚も含めて、きっと一度の挫折もなく順調にキャリアを築き上げていて特に不自由な思いをしないままだったなら、私は調子に乗ってしまうだろうからきっと感じられなかったピュアな感覚だろう
それほどに、当時の私の状況はゼロスタートのどん底だった
周りはみんな立派に何かを築きあげてきている年齢だというのに自分は一体何をやっているのだろうと、惨めさ悔しさ虚しさでいっぱいだった
とにかく闇の中を彷徨っていた時期は、しばらく心を病んでいたように思う
なんだかまとまりのない話になっている
そして更に話が逸れてしまう気もするけれど
書いていて思った
人生の中であれほど真っ暗闇に落ちた時期があったことは、今の私の原動力にもなっているんだと改めて思う
もういい歳の大人であれば、きっと誰しもが大なり小なり人には見えない苦労をしていたり辛い時期があったりするのかもしれない
自分だけとは思わないし、辛い経験をすべきとも全く思わないけれど
少なくとも私個人のことでいえば、私はしんどい時期があったから、その後の多少の事を色々乗り越えられているような気もする
もちろん、自分一人だけの力じゃなかったり、周りのお陰だったり、様々な要素があるのだけれども
きっと昔の私だったら、こんなに頑張れていないだろうな、とか
こういう事、絶対許せなかっただろうな、とか
こういう人、どこか見下していたんだな、とか
こんなに根気強く出来なかったな、とか
思うことはある
他人や物事への許容範囲なんかは単純に年齢と共に…の部分もあるにせよ、やはり経験によるところは大きい
というわけで、やや主旨とズレてきたので無理やりまとめると
トリシアギルドは私がインテリアを仕事にしたい夢を改めて与えてくれた存在で
そして今でもハッピーな色彩のインスピレーションを刺激してくれる素敵な存在、という話でした
とっ散らかった長文でしたが、ここまでお読みくださった方、ありがとう♡
